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米国IDSの準備

米国IDS(情報開示陳述書)の実務:引用文献・NPLの準備と提出時期

日本の出願人・知財担当者向けに、米国IDSの37 CFR 1.97/1.98の提出時期、SB/08、非英語文献の説明・翻訳、NPLの写し、外国同族出願で挙がった引用文献の確認方法を整理します。

公開日 2026/09/24

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記事の内容

**最終更新日:2026年9月24日**

米国の情報開示陳述書(Information Disclosure Statement、IDS)は、特許出願に関係する特許文献・論文などの情報をUSPTOに提出し、審査で考慮できるようにする仕組みです。日本の出願人は、米国代理人や各国の同族出願から届く引用情報を案件ごとに照合し、提出対象、文献の写し、タイミング要件を一緒に管理します。

日本の出願人がIDSを準備するときの基本

MPEP §609は、特許性に関係する情報を適切な時期と形式で提出するための実務を説明しています。IDSを提出したこと自体は、調査を実施したとの表明でも、引用情報が特許性に重要だと認めることでもありません。一方、リストが提出されただけで必ず考慮されるわけではなく、時期・内容・署名などの要件を満たす必要があります。

拒絶理由通知や検索報告を受領したら、文献ごとに発行国、番号、公開日、特許/NPLの区分、引用元の国と日付、米国出願での既提出状況を記録します。米国代理人と分担する場合も、一覧の最新版と各文献のPDFを同じ案件記録で追える形にします。

37 CFR 1.97:IDSを提出する時期

次の時期区分は一般的な整理です。実際の出願経過と現在の規則・USPTOフォームを確認してください。

**第1段階:出願後早期。** 国内出願は実際の出願日から3か月以内、PCT国内段階移行出願は国内段階移行日から3か月以内、または最初の実体審査通知の発送前のいずれか遅い時期までに提出する方法があります。RCE後はRCEに対する最初の実体審査通知の発送前が基準になります。この段階では1.17(p)のタイミング手数料は通常の要件ではありません。

**第2段階:最初の期間後、最終拒絶・許可通知などによる審査終結前。** 1.97(e)の適格な陳述、または1.17(p)のタイミング手数料のいずれかを添えて提出します。期限の境目は通知の発送日が基準になるため、受領日だけで判断しないでください。

**第3段階:最終拒絶・許可通知などの後、発行手数料の支払いまで。** 1.97(e)の陳述と1.17(p)のタイミング手数料の両方が必要です。発行手数料を支払った後の通常のIDSは審査で考慮されず、ファイルに収められる扱いになります。例外的な手続を検討する場合はUSPTOの現行案内と米国代理人に確認してください。

1.97(e)の陳述は、外国庁の対応出願における通知で各情報が初めて引用され、その通知日から3か月以内である場合、または外国庁通知で引用されておらず、合理的な確認を行った署名者の知る限り、開示義務を負う関係者が3か月より前から知っていた情報も含まれない場合など、規則の条件を満たすときに限られます。事実確認なしにチェック欄を選ばないでください。

2025年1月19日以降に提出するIDSには、1.98(a)(4)に基づき、1.17(v)のサイズ手数料を支払ったか、手数料が不要であることを示す書面のサイズ手数料表明も必要です。サイズ手数料は文献数に応じた別制度で、後期提出時の1.17(p)タイミング手数料とは異なります。件数が多い案件では、過去の提出分を含む累積件数と最新のUSPTOフォームを確認します。

37 CFR 1.98:文献リストと写しをそろえる

IDSには、検討を求める特許、公開公報、出願、その他情報の一覧を付けます。米国特許・米国公開出願は、その他の文献とは別の区分にします。外国特許文献は発行国または庁、文献番号、公開日を確認し、NPLは著者、題名、掲載誌・発行元、日付、該当ページが追えるように書誌情報を整えます。

外国特許文献、NPLの出版物または引用対象となった部分、その他の情報には、原則として読みやすい写しを用意します。米国特許・米国公開出願は通常写しを添付しませんが、USPTOが求める場合など規則の例外を確認します。過去の親出願で提出済みでも、継続出願で写しが不要になる要件を満たすかは、親出願の特定と提出記録を含めて確認してください。

日本語など英語以外の文献:簡潔な関連説明か英訳

英語以外の文献を挙げる場合、全文の英訳を添付しないなら、その情報の内容に最も詳しい開示義務者が現時点で理解する関連性について、簡潔な英語の説明を用意します。説明は、関連する請求項、段落、図面、技術事項を特定できる具体性を持たせます。

書面化された英訳の写しが開示義務者の管理下にある、または容易に入手できる場合は、規則に従いその英訳も提出します。完全な英訳を添付する場合は簡潔な関連説明が不要となる扱いがあります。英語要約や、外国庁の英語検索報告にあるX・Y・Aの評価は説明の参考になり得ますが、単に「外国庁の通知で引用された」と書くだけでは、文献との関連を説明したことにならない場合があります。

SB/08と2025年以降のサイズ手数料表明

USPTOの現行SB/08(Patent Center版)は、米国文献とその他の引用を分けて記載でき、IDSサイズ手数料の表明に対応しています。提出前にフォームの版と記入案内を確認し、出願番号、各引用文献の識別情報、該当する手数料表明、署名を点検します。

SB/08を使っても、文献PDFの準備や1.97(e)の事実確認が不要になるわけではありません。外国特許の番号・国・日付、NPLの書誌事項、非英語文献の説明または利用可能な英訳、米国出願の提出タイミングをフォームとは別のチェック表でも照合します。

外国同族出願の審査で挙がった文献をどう扱うか

欧州・日本・中国などの同族出願で拒絶理由通知や検索報告を受け取ったら、文献ごとに次を確認します。

1. 米国出願と外国出願の優先権・開示内容が、1.97(e)の「counterpart foreign application」に該当する関係かを確認する。 2. 文献がどの外国庁のどの通知で初めて引用されたか、通知の発送日と、米国出願のIDS・審査官引用(PTO-892など)にすでに記載されているかを記録する。 3. 新たに挙がった特許文献とNPLを識別し、原文献と必要な写しを集める。外国庁の一覧に同族の米国・英語文献が併記されている場合は、原文献と別項目で照合する。 4. 1.97(e)(1)を使うなら、リスト中の各情報が3か月以内に初めて引用されたという要件を確認する。以前から引用されていた同一文献が別の最近の通知にも再掲された、というだけでは要件を満たしません。

MPEP §609は、外国庁の通知に引用文献と関連する米国または英語のファミリー文献が示され、それらを併せて提出する場合の1.97(e)(1)上の扱いにも触れています。ファミリーだから自動的に同一文献・同一記載になるわけではありません。公開番号、言語、公開時点を照合し、各米国出願の提出済み記録を確認してから米国代理人と提出内容を決めます。

よくある質問

同族国の拒絶理由通知を受け取ったら、すぐに1.97(e)(1)を使えますか?

必ず使えるわけではありません。各情報が対応する外国出願の外国庁通知で初めて引用されたこと、通知日からの期間、出願の対応関係を確認します。古い通知ですでに引用された文献は、最近の通知で再掲されただけでは「初めて」の要件を満たさない場合があります。

日本語文献は全文を英訳して提出しなければなりませんか?

常に全文英訳が必要とは限りません。全文英訳を付けない場合は簡潔な関連説明が必要で、書面化された英訳が管理下にある、または容易に入手できる場合にはその写しを添付します。適用要件は現行規則と個別文献で確認してください。

IDSを提出すればUSPTOが必ず内容を考慮しますか?

いいえ。1.97の時期・手数料・表明要件と1.98の記載・写し要件などに適合しない情報は、ファイルに置かれても審査で考慮されないことがあります。

公式資料

関連ページ

外国の拒絶理由通知

外国の拒絶理由通知で引用された文献を集めたい場合は、通知をアップロードすると、引用特許の PDF(英語のファミリー公報があれば併せて)を1つの ZIP にまとめられます:引用文献を集める。

情報開示陳述書(IDS)に必要な引用文献の集め方と、確認用にそろえる方法を解説します。

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